第15章 血のハロウィン
「ばは!なんだよ。誰かと思えば、天使チャンが降ってきたなぁ!翼でも折れちまったか?」
誰かに受け止められ、そっと目を開けると、そこには不敵に笑う半間が立っていた。
『半間.....』
「大丈夫か?天使チャン」
「半間ぁ!!リッカを返せ!」
「返すわけねぇだろ?折角手に入れたんだ。手放すバカがどこにいんだよ。」
半間はそう言うとリツカの顎をつかみ、自分へと顔を向けさせる。
「なぁ?俺の天使チャン」
『鬱陶しい。離れて半間、てか下ろして。』
「つれねぇなぁ〜"芭流覇羅(ウチ)"の天使サマは」
「あ?」
明らかに悪意の込められ、強調された言葉にピクリと反応したドラケンはまるで射殺さんばかりに半間を睨みつける。
『半間。受け止めてくれたことには礼を言う。ありがとう。私もう行くから。』
パンっ!!と半間の手を振り払うと、半間の視界から逃げるようにして人混みへと消えていった。
「随分と嫌われてんなぁ!」
「あーあ。逃げちまった。俺の天使チャン」
「テメーのじゃねぇよ。半間、アイツをどうするつもりだ。」
「どうする?決まってんだろ。その綺麗な羽根をもいで堕とす。俺なしじゃ生きれなくして、俺の為に死ぬ人形にする。そして芭流覇羅のトップにする。」
「!?半間!!テメー!!!」
「今日の抗争勝ったら天使チャンを芭流覇羅のトップとして首を挿げ替える。芭流覇羅はアイツのために作ったチームだからなぁ!」
「(芭流覇羅がリッカの為に作られたチーム!?)」
「天使チャンは自分で気づいてないだけですっげぇ才能を持ってる。俺たちはそれが欲しいんだよ。」
「才能?なんの事だ。(俺たち?どういう事だ?)」
ドラケンは言葉の意図が理解出来ず半間に問いかける。