第15章 血のハロウィン
まさかそんな会話をされているなんて夢にも思っていないリツカは芭流覇羅の方へと行き、一虎と対峙した。
「リッカ.....やっとだ。やっとマイキーを殺す日が来た。覚悟はいいな?」
『うん。(この抗争で圭介は殺される....何としてでも阻止しないと!)』
稀咲はこの抗争で絶対にアクションを起こす。
それを見逃せば、もうチャンスは回ってこないだろう。
この期を逃すわけには行かない!
必ずミッションを成功させてみせる!
「主役共のぉ!!登場だぁ!!」
"仕切り"を任されている反泉の声を合図にガラッ!と音を立てて門が開き、旗を掲げた東卍と芭流覇羅が中に入っていく。
「東京卍會!!芭流覇羅!!」
リツカも一虎と場地に続いて前に出る。
『圭介。無茶だけはしないでね。』
「オマエじゃねーんだからしねーよ。オマエこそ無茶すんじゃねーゾ。」
『......わかってるって。さ、行こ。』
少しだけ迷った様子でそう答えたリツカが芭流覇羅の前線に立つとザワッと周りがざわついた。
「リッカだ。」
「おい。東卍のリッカが芭流覇羅にいるぞ!?」
「普段総長や副総長、他の隊長の尻に隠れてるくせに今日は前に立つのかよ。」
「1人でチーム1個潰して、9代目黒龍のメンバーの何人かを半殺しにしたっていう噂聞いたことあるぜ。」
「それなら夜の散歩とか言いながら、だせぇ事してた不良を半殺しにしたってのも聞いたことある。」
「鬼レベで強いって話だろ?やべーじゃん。」
『(噂が独り歩きしてるな.....私そこまで強くないんだけど。)』
リツカは普段前線に立つことは無い。
そんな彼女がこうして前線に立っているのだ、騒がれないはずがなかった。