第14章 嵐の前の静けさ
『何言ってるの。千冬。』
リツカの冷たい眼差しが千冬たちを射抜く。
しかし、千冬たちもここで引き下がるほど、臆病ではない。
向けられる冷たい眼差しの中、臆することなく2人を連れ戻すために必死に説得を続ける。
「明日になったら!抗争始まっちまったら!場地さんと親友。本当に東卍の敵になっちゃいますよ!!」
「本当に裏切り者としてみんなから狙われるんスよ!それでもいいんスか!」
「リツさん、場地さん!戻りましょう。今ならまだ間に合います!何かの間違いだったって!」
「千冬ぅ。いつも口酸っぱくして教えてきたろ。仲間以外信用すんなってよ。俺達は芭流覇羅だ。明日東卍を潰す。」
『東卍はもう私たちの敵だ。オレたちの事をいつまででも仲間だと思うな。海國、海寿。教えたはずだ。敵を信頼するな。たとえそれが信頼していた人でも敵になるようなら信頼を捨てろと。無慈悲になれと言っただろ。』
「場地さん.....」
「「隊長......」」
「ごめん3人とも、場地君とリッカ君と3人で話もいいか?」
3人は不思議そうな顔をするがそれを了承し、タケミチは3人に見守られながら、場地とリツカと場所を移す。
「テメーの話すことなんてねぇぞ。」
『それで何の用?』
「俺には場地君が何をしたいのか分かんないっす。むしろそんな事どうでもいいんです。ただ!どうか明日を乗り切ってください!」
「あ?」
機嫌悪そうにそっぽ向いていた場地がようやくタケミチに視線を向ける。