第14章 嵐の前の静けさ
──────ちゅっ
「!」
『っ.....』
「リアっ。んっ。」
『んんっ♡』
もう一度重ねられた深い口付けは熱を帯びて暖かく、リツカの中を満たしていく。
お互いに触れた手は絡み合い暖かくなっていって、二度と離れないようにきつく握りしめ合う。
『ぷはっ』
「リア!」
『ごめんね。マイキー。今は言えないの。でもこれでわかって?』
「っ!何それめっちゃ嬉しい。」
『あっ』
気持ち悪かった赤い花を触れられるだけで、触れられた場所が熱くなって、胸が高鳴るのを感じる。
「ごめんな。リア。オレ、リアを一生手放せない。オマエが傍に居ないだけでこんなにも苦しいんだ。自分じゃ抑えきれないほど黒い衝動が俺を飲み込もうとする。オマエを閉じ込めて、俺しか見えないようにして、俺の為に生きて、俺の為に死んで欲しい......そう思っちまうんだ。」
オマエは俺の天使だけど、俺だけの天使じゃない。
みんなの天使でみんなの蒼葉六花なんだ。
でも俺はそんなオマエを俺だけのモノにしたいんだ。
閉じ込めて、その真っ白な羽根をもいで、堕として、俺なしじゃ生きれなくなればいい。
そんな真っ黒な感情が俺の中を支配していく。
『.....』
そう告げられたリツカはクスッと笑うとリツカの胸に顔を埋めるマイキーの顔を両手でそっと持ち上げて額にキスを落とした。
『あなたにならされてもいいよ。マイキー』
「!」
『あなたがそう望むのなら私はあなたを受け入れる。.....でも、それは今じゃない。この抗争が終わるまで待ってて。』
「......」
『私は一虎も救いの。一虎はあの日にずっと囚われてる。そんな一虎を私は放って置けない。もうこの悲しみの怨嗟を私は終わらせたい。だからそれまで待っててくれる?』
「.....抗争が終わったら.....俺の元に帰ってきてくれる?」
不安そうに問いかけるマイキーの頭を撫でるとリツカは花笑みを浮かべた。