第14章 嵐の前の静けさ
「リア。なんで裏切った。」
『?』
「なんで俺を裏切った。離れるなって勝手に居なくなるなって何度も言ったよな?なのになんで?」
『マイキー?』
「なんで路地裏にいたんだよ。俺1人で裏道使うなって何度も言ったよな?」
『だって一虎との時間に遅れそうだったし......それに使ったのは5分くらいだから.....』
「5分?それでも危ねぇ目に会うってわかってんだろ。何度それで危ない目にあってきた?何度俺らに助けられた?それともまたあいてぇの?危ない目に.....」
『そういうワケじゃ......』
「そんなに襲われたかったの?抵抗できないように押さえつけられてさ、この薄い腹を血を吐くまで殴られて、男なのに誰かもわからねぇ奴らに満足するまでレイプ(まわ)されて.....そんな怖い目に会いたかった?」
マイキーはそう言うと服の中に手を入れ薄いリツカの腹をなぞり、子宮に当たる部分を強弱をつけながら上から潰すように押す。
『んんっ♡やっ.....』
初めて味わう甘い刺激にリツカはベッドのシーツを蹴って逃げようとする。
「逃げんな。」
『それやだッやめてよ』
「ヤダ。なぁ?一虎のモノになったってどういう意味だよ。オマエは俺のモンだろ?」
『そ、それは......』
「早く答えろよ。芭流覇羅に行って一虎と半間と付き合ってんのか?」
『それは、そのっ....!』
「一虎とヤッたの?それとも半間?それともどっちもか?」
『ッ......』
早く答えないと怪しまれる。
しかし、混乱した思考ではなかなか言葉が出てこず、口ごもっていると、マイキーの目がさらに冷たくなった。
「あっそ。わかった。ずっと我慢してきたのに.....誰かに奪われるくらいなら....オマエは誰のモノかその身に刻みつけてやる。」
『マイ────ヒィッ!やめっ!!』
光の無い目で何かをブツブツと呟くマイキーはリツカを取り押さえると無理矢理リツカの服を引っ張る。
ブチブチブチッ!!
着ていた服のボタンがちぎれ、部屋の床やベッドへと飛び散った。
それはまるであの時の、変わる前の未来であった仲間に犯されそうになった時の恐怖がリツカの中に溜まっていく。