第14章 嵐の前の静けさ
「半間。テメー」
「なんだよ。マイキー」
2人はお互いに睨み合いを効かせると、リツカの手首を強く握りしめる。
「リッカはもう一虎のモノだ。その手を離せ。マイキー」
「あ?何言ってんの?リアは俺のモンだ。」
「あれ?天使チャン言ってなかったの?」
「は?何を?」
半間はニヤリと笑うとリツカを奪い取り、顎を固定すると服の襟を引っ張って赤い花を見せつける。
「こういう事。」
「っ!?」
あからさまに見せつけられたそれにマイキーは目を見開く。
「一虎の奴、毎日お熱いぜ?ずーっと天使チャンにくっついてる─────」
─────ガシッ!!
マイキーは額に青筋を浮かべると、リツカの腕を強引に掴み引っ張り、引き寄せるとキツく抱きしめる。
『わあっ......!』
「汚ぇ手でリアに触れんじゃねぇ。行くぞリア。」
『離し────いっ!』
逃げようとするリツカをいとも簡単に力で黙らせ、マイキはそのまま歩き出す。
「黙って着いてこい。」
『......』
「おい!マイキー。天使チャンを離せよぉ」
「半間。今回は許してやる。でも次はねェ。」
「次なんてねーよ。天使チャンは俺たちのモンだ。連れてかれちゃ困るんだよぉ。今夜も俺たちの相手してくれんだろ?♡天使チャン」
『(半間!?何言って!)』
「は?それどーゆう意味だよ。」
「さぁ?どーゆう意味だろーな?♡」
「あ?何死にてぇの?オマエ」
「ッ.....!ばは(おもしれぇ。すげー殺気♡)」
『半間!......これ以上余計なこと言わないで。』
「なんだよ。照れてんのか?」
『照れてない!マイキー。言うこと聞くから半間に手を出さないで。』
「チッ......行くぞ。」
冷たい声でそういったマイキーはリツカを引きずるようにしてスタスタと歩いていく。