第14章 嵐の前の静けさ
卍 卍 卍
「───ァ。──アァ!リアァ!!」
「ハッ!え?あ....」
「もう夜だぞ。」
『嘘!?私寝てた!?』
「おう。」
『嘘ぉ....恥ずかしい.....ちなみに何時間くらい?』
「ん?2時間ぐらいじゃねぇの?」
どうやら随分と深い眠りに着いていたようだ。
2時間という短時間だったが、あれだけモヤがかかっていた思考がスッキリとしていた。
『まさか圭介、私が起きるまでずっと膝枕してくれてたの?』
「おー。」
『え!ごめん。痺れてない?』
「大丈夫だ。気にすんな。」
『ありがとう.....圭介』
場地はニカッと八重歯を見せて笑うとヨシヨシとリツカの頭を撫でる。
「そういえばさ、オマエ一虎と待ち合わせしてんだろ?大丈夫か?」
『あ.....あー!!ヤバい!早く行かないと!』
「送ってこうか?」
『うーん。いいや!でもありがとう!じゃあ私帰るね。』
「おう。気ぃつけて帰れよ。」
場地に見送られ集合団地を出ると、見慣れた街並みを歩く。
『うわぁ.....間に合うかなぁ。仕方ない裏路地使うか。』
小走りになりながら人通りの多い道をぬけ、人目が少ない裏路地へと入る。
裏路地を使えば5分くらいで着く距離だからだ。
普段裏路地に入ることはマイキーから危ないからと禁止されていた。
しかし、私はもう東卍の敵、それに弱い訳では無い。約束を馬鹿みたいに守っているのが馬鹿らしくなった。
『あと少し』
やっと路地裏を抜けれる。
そう思って走り出そうとした時だった。