第14章 嵐の前の静けさ
『平気だよ。このくらい.....』
否、大丈夫なわけが無い、現代でも過去でもここ最近まともに寝れていなかった。
現代に戻っても仕事と東卍についての情報収集、過去に戻ってきても同じ事の繰り返し。
おまけに一虎の相手もしている。
身体はとうの昔に悲鳴をあげていた。
リツカは気まずそうに目をそらすと首に手を当てる。
それを見た場地はムッとした顔をするとリツカの腕を引っ張って自分の顔の近くへと引き寄せた。
『わぁ!ちょっと圭介危な────』
「嘘つくんじゃねーよ。」
『え?』
「オマエ昔からそうだよな。何か隠してる時とか、嘘ついてる時はそうやって首に手ぇ当てる癖。」
『!?』
自分でも知らなかった癖を指摘されリツカは勢いよく頭をあげるがすぐに場地の手に捕まり、元の位置よりも低い位置へと誘導され、膝枕をされる。
「眠いなら寝ろよ。」
『.....でも、』
「でもじゃねー。言い訳すんな!」
『この後一虎と会う約束があるから.....』
「心配すんな。ちゃんと起こしてやっから。」
『.....わかった』
そう言ってリツカの髪を手で梳いてまるで猫を撫でるように場地は優しいて付きでリツカの頭を撫でる。
『撫でる必要なくない?』
「オマエよくシンイチロー君にこうして貰ってたら、すぐ寝てただろ。」
『もう子供じゃない。』
「いーから寝ろ。」
『.....うん』
優しく触れる手が心地よくてリツカはゆっくりと目を閉じるとそのまま夢の世界へと意識を手放した。