第14章 嵐の前の静けさ
卍 卍 卍
「血のハロウィン抗争は東卍の敗北に終わった。それは佐野万次郎が羽宮一虎を殺害したのが原因。しかもそれは稀咲鉄太が仕組んだ。」
『そしてマイキーが堕ちてしまったのは、マイキーの幼なじみである圭介を一虎が殺したのと。私を守るためにマイキーが自分から稀咲の術中にハマったから.....』
「だったら場地君を助ける!そうすればマイキー君は過ちを犯さない!」
「そして稀咲の思惑も阻止できる。場地圭介を守る!それが今回のミッションですね。」
ミッションが決まるとナオトはホッとしたように息を吐く。
「龍宮寺堅の時といい、僕たちこんなのばっかですね。」
「そろそろキメねぇとな!」
『そうだね。そろそろ幕引きしないと!』
「"そろそろ"か。簡単に言いますね。大変なミッションのハズなのに。」
『「ん?」』
「いえ。頑張ってきてください。」
「おう!」
『うん!』
ナオトは笑顔でそう言うとタケミチに向かって手を差し出した。
「(タケミチ君、義姉さん。君たちはすごい人なのかもしれない。)」
「行ってくるぜ。ナオト」
2人が握手を交わした瞬間
タケミチの身体だけがこの世に残された。
「義姉さん。随分と無茶をしているみたいですけど、頑張ってきてください。」
『うん!行ってきます!マイキーと圭介は絶対に私が守ってみせる!』
パキンッ!
聞きなれたガラスの音が響きリツカが意識を手放すとナオトは倒れたリツカを抱きとめ、ゆっくりベッドに寝かせる。
「(義姉さん.....僕はあなたがいつか佐野万次郎への思いで押し潰されてしまわないか心配です.....どうかこのミッションで全てが上手くいくといいんですが......)」