第14章 嵐の前の静けさ
「アイツの次の刀は半間修二!」
「え?半間って今芭流覇羅の.....!」
「やっぱり稀咲と半間は繋がってやがったんだ!」
「よりにもよって歌舞伎町の死神とは......とことんやってくれますね。あの人。」
「ただ喧嘩の強えー奴だったり、ちょっと悪知恵の働くぐれぇの奴だったら俺だってやっちまってるよ....でも稀咲はもっと、なんて言うか、やべーんだよ。自分の手汚さずに人を殺そうとする奴だぞ。手ぇ出したら何されるか」
「確かに。パーちんさんを使ってあなたを殺そうとしたように.....もし今の稀咲に手を出せば次は無いでしょうね。」
「折角リッカに拾ってもらった命なんだ無駄にはしたくねぇ。とにかく俺はもう稀咲とは関わりたくないんだ。」
あの元 愛美愛主の総長とは思えないほどの怯えっぷりにタケミチも千冬も口を噤む。
「悪ぃがもう俺から話せんのはこのくらいだ。リッカにも同じことを話してる.....あとはアイツに聞いてくれ。」
「お忙しい中ありがとうございました。」
これ以上は関わりたくない。そう言った長内の元をさり4人は夕暮れの中、重い足取りで歩いていく。
「これで1つわかった。芭流覇羅のトップの事だ。トップ不在の謎多きチーム。着いた異名が首のない天使。誰も知らないトップ。それは.....稀咲鉄太だ!」
千冬の確信をつく言葉にタケミチもその言葉の意味を理解したのか、ハッと息を飲む。
「今、稀咲は東卍に居る。だから玉座は空席なんですよ!」
「(稀咲が芭流覇羅のトップ!?)」
なら稀咲はなんで東卍に?
なんで芭流覇羅と決闘を!?
稀咲は何がしてぇんだ?
わかんねぇ事が多すぎる!
こうなったら!
「?タケミっち?」
「千冬、海國、海寿!悪ぃ先帰っててくれ!」
【あ、オイ!】
引き止める3人の声を無視してタケミチは人気のないところでリツカに一報を入れ、ナオトの元へと向かった。