第14章 嵐の前の静けさ
「ご無沙汰しております。」
4人の中で1番礼儀正しい海國が少し親方と話すと、すぐにまずは海國だけが部屋の中へと入っていく。
「オイ!客だぞ!!」
「ん?」
「(コイツは!元 愛美愛主の総長 長内!)」
「あン?双璧と.....誰だ?オマエら。」
4人の目の前にいたのは頭にハチマキをして、口で釘を加えている長内の姿があった。
「長内君。お久しぶりです。お元気そうでなりよりです。」
「おー今日は何しに来た。さっきオマエんとこ隊長が来たばっかだぞ。」
「え、リツさんがですか?」
「おお。それで何の用だ。」
「今日は少々お話を聞きに来ました。稀咲鉄太。彼の事に着いて知っていることをお教え願えませんか?」
まるで、どこかのお金持ちの執事のように丁寧な口調と丁寧な仕草で話す海國を前にタケミチはポカンと口を開ける。
「なぁ千冬、"海寿"ってなんか不良ぽくないよな。」
「は?今話してんの"海國"だぞ。」
「俺はこっちな〜。赤い方が俺で、青い方が兄貴だぜ。」
「え?」
「まぁ慣れるまでは間違えるよな。
海國は東卍に入った頃からあんな口調だぜ。喧嘩はあんまし強くねぇけど交渉術と作戦を練るのがめっちゃ上手い。
対して口調が荒いのが海寿。コイツは喧嘩は強いけどバカだ。でも顔が広いから情報収集力がめちゃすごい。
お互いの弱点をお互いでカバーしあってんだよ。」
「へぇー」
「俺らはニコイチだからな!だから双璧なんて言われてる。ていうか、俺らの特技は全部隊長譲りなんだよ!」
「俺たちはあの方に散々叩き込まれましたからね。あの人礼儀とか話術とかそういう所はすっごく厳しい方でしたから。」
「お!終わった?」
「はい。」
しばらく話し合っていた、海國が戻ってきて「どうやら話してくれるそうです。」と言う言葉を皮切りに、3人は長内の話を聞くために中へとはいる。
「オマエら稀咲のことが知りてぇのか。 」
「はい。」
「.....わかった。話すよ。最初の印象は地味なガキだった。」