第14章 嵐の前の静けさ
「まずは芭流覇羅と稀咲の繋がりをちゃんと調べてぇ。」
「リツさんと場地さんが俺たちをボコったのは芭流覇羅に入って稀咲を探るため。」
「それって芭流覇羅と稀咲は繋がってるってことか?」
「多分ね。場地さん達が内部から調べるなら俺らは俺らなりに外部から調べてぇ。」
「稀咲の事を探ってるって場地君本人が言ってたのかよ。(リッちゃんは探るって言ってるけど.....)」
「あ?2人とも言ってねぇよ。」
「え?」
「でも俺らにはさ、わかるんだよ。あの人たちの考えてる事はさ。ずっと傍であの人たちのこと見てたからな!」
海寿はそう言うと、どんよりと曇った空を見上げる。
「その為に稀咲と繋がりがありそうな奴を俺と兄貴で調べあげた。」
「アテはあるってことか?」
「「そゆこと。」」
双子はお互いの肩に腕を組ませるとニヤリと笑って皆をある場所へと案内した。
「ここがアテ?」
「おー見たらびっくりするかもな。オマエも知ってる奴だぜ。」
ニッシシとチェシャ猫のように笑うと海寿は軽い足取りで入口へ向かっていく。
「どう見てもただの工務店にしか見えねぇんだけど。本当にここで合ってんのか?」
「俺たちの情報網舐めないで貰えますか?」
「こう見えてもコイツら、知らない情報はないってくらい族の情報を掴むのも早いし、正確なんだぜ。」
「まぁ全部隊長の受け売りだけどなー。あの人なんてサツでも知らない情報までいとも簡単に掴んでくるぜ。しかも数日で。すごいよなぁ〜」
「まぁ、そのせいでちょっとでも悪い事(ヘマ)したらみっちり説教されるけどな〜」とどこか呑気にそう言った海寿は眠そうにくわぁと欠伸をする。
「オマエはそれで何度も親友に怒られてたもんな。最長3時間だっけ?」
「うっせぇ!5時間だわ!しかも正座で!!オマエら経験してみるか!?マジで足死ぬぞアレ!」
「ヤダよ。アイツ怒ると怖ぇもん」
「だろうな!」
「(コイツら本当に東卍の壱番隊と特攻隊の副隊長なのか?到底そうには見えねーんだけど。まぁ、そんなこと言ったら確実に殴られそうだから言わねーけど。)」
タケミチは呆れた様子を見せながらも3人の後に続き小さな裏路地をぬけ、工務店へと入っていく。