第14章 嵐の前の静けさ
俺は何をしたい?
そうだ。マイキー君に場地君を連れ戻せって言われて、連れ戻したら稀咲をクビに出来ると思った。
稀咲を東卍から追い出せれば、未来が変わってヒナやキョウちゃんが助かるかもしれない.....
でもそれは違う。
あの時、あの炎に誓ったのはそんなことじゃない!
「俺は東卍のトップになりたいです!!!いつかマイキー君にそれを認めさせてみせる!!それが俺のやりたいことです!!!」
そうだ俺はあの時誓ったんだ。
だからこそこれだけは譲れない!!
これが今の俺がやりたい事だからだ!!
強い光を放つアクアマリンの瞳にマイキーは唖然とする。
そして言うだけ言ったタケミチは千冬に連れられその場を後にした。
「ハハ。馬鹿だな。アイツ」
「だな」
そう呟いたマイキーの顔はさっきとは違い優しい笑みを浮かべる。
しかし、すぐにマイキーは真顔になり空を見上げると悲しそうな声で呟いた。
「ねぇケンちん.....」
「あ?」
「リア....戻ってくるよな?」
「.....」
「俺リアが居ないだけで....アイツが他の奴と一緒にいるって考えるだけで、ここがすっごく苦しいんだ。」
「【東卍(オマエら)の天使サマはいずれオレたちのモノになる。アイツは自分からオレらの物になるんだ!】」
8・3抗争で半間に言われた言葉が耳の奥で木霊する。
半間が言ったことが現実になった。
これからもっと悪いこのが起きるのではないかと嫌な予感がして、心臓の辺りがぎゅっと痛くなる感覚がした。
「.....帰ってくるさ。アイツは絶対に。アイツの居場所は東卍だ。」
ドラケンはそういうとマイキーと一緒に曇天の空を見上げた。