第14章 嵐の前の静けさ
「3人とも場地君とリッカ君を尊敬してるみたいだけど。あそこまでやられて尊敬出来るもんなのか?」
「場地さんたちが俺たちを殴ったのは芭流覇羅に入る為。でも、芭流覇羅に入ったのは東卍を潰すためじゃねぇよ。」
「え?」
千冬はそう言うとブランコから立ち上がりタケミチに背を向ける。
「場地さんたちの考えは他にある。」
「「稀咲だ/です。」」
「稀咲のしっぽを掴むため芭流覇羅に入ったんだ!」
確信を着く千冬の言葉にタケミチは唖然とする。
「とりあえず、親友までもが抜けた今、俺たちはそれをマイキー君に報告する義務がある。」
「ビビらないでくださいよ。タケミっち。総長に報告しにいきますよ。」
「詳しい話はその後だ!行くぞ!タケミチ!」
3人に促され、タケミチはマイキーが定期的に通っているという佐野家のお墓へと足を進める。
あれだけ晴れていた空はまるでタケミチの心を映し出すように段々と曇っていき、雨が降り始めた。