第13章 出会いは突然に【番外編】
『潰されたチームがオレの部下になんの用?』
「潰された?ふざけんじゃねぇ!俺らはまだ潰されてねぇ!なのにソイツらはチームを裏切って東卍に行きやがった!」
「せっかく目をかけてやったのによォ!」
「"双璧" "双璧"って言われてっからってチョーシ乗ってんじゃねぇぞ!」
「目を掛けただと!?ふざけんな!オマエらは俺たちに何をしたよ!」
「無理矢理タトゥーを掘って、挙句の果てには見捨てたじゃないですか!」
「見捨ててねぇよ。躾してやってたんだろうが!」
『.....なるほどね。』
あの怯えた眼差しの意味
そういう事だったのかと納得したリツカは2人を庇うようにして立ち塞がる。
『で?なんの用なの?』
「ほかの裏切り者への見せしめのために嬲り殺すんだよ!」
『ふーん。いいよ。かかってきな。東京卍會 特攻隊隊長 蒼葉六花が相手だ!!』
そこからは地獄絵図だった。
2人がかりでも勝てなかった相手をリツカは一掃して行く。
ある者は首に容赦のない蹴りを一撃食らい倒れ、またある者は腹に蹴りを食らう。
喧嘩しているその姿はまるで、舞を踊っているように軽やかで美しく2人は食い入るようにリツカを見つめた。
『いい?次オレの仲間に手ぇ出したら、オマエら二度とこんな真似が出来ねぇように再起不能にすんぞ!』
「ひ!ヒィィ!!」
「す、すみませんでしたあぁぁ!!」
『コラ!バット持ってけ!バカども!』
逃げるように去っていく集団にブンっ!と音を立ててリツカが木製バットを投げつけると、敵の1人の頭にスコーン!と当たる。
「ご、ごめんなさいぃぃ!!」
『ったく。』
ため息を着きながらリツカはパンパンと服に着いた埃を払う。
そしてちらりと2人に視線を向けるとさっきと違う優しい笑みを浮かべた。
『大丈夫?』
「うっす」
「はい」
『オマエらが双璧って呼ばれてるんだって?へぇいいじゃん。かっこいい。オマエらオレの隊の副隊長になってよ。』
「「は、はい!!!」」
『よろしくね。海國、海寿!』
それから2人はまるで借りてきた猫のように大人しくなった。
最初は警戒していた特攻隊のメンバーも心を入れ替えた2人を歓迎し、半年後には頼れる副隊長にまで上り詰めていた。