第13章 出会いは突然に【番外編】
「どうしたらいいんだろう。」
はぁ....もう何度目か分からないため息を着く。
とぼとぼと思い足取りで夜の街を歩いていると、人の居ない公園から誰かが争う声が聞こえてきた。
『こんな時間に誰かいるのかな....』
リツカは興味本位で公園の中に入っていく。
すると奥の方からより鮮明に声が聞こえた。
『(この声聞き覚えが.....)』
ギャハハ!!下卑た笑い声が聞こえる中リツカはスタスタと歩いていく。
そして街灯に照らされ、目に写ったものは衝撃な光景だった。
「カハッ.....」
「ぐぁ.....」
大勢のゴロツキに囲まれ、ボロボロになり意識が朦朧としている2人の姿が目に入った。
「オラ!もっと踊れや!」
「チョーシこいてんじゃねぇぞ!!」
「死ね!空暴露朱の裏切り者ども!」
グチャッ!ゴッ!重たい拳の音が聞こえ、2人はその場に亀のように蹲ると、大勢のゴロツキに殴られる。
「これで頭かち割ってやんよ!」
そう言って木製のバットを振り上げた男を見た瞬間
リツカの身体はまるで誰かが憑依したように動いた。
「ヤバいっ!」
「殺られるっ!!」
2人が咄嗟に目を瞑り頭を守る。
しかし、襲ってくるはずの痛みが来ず恐る恐る目を開けるとそこには、バットを素手で受け止めたリツカが立っていた。
いくら木製と言えど当たればかなり痛い。
実際受け止めた掌がジンジンと痛む。
これがもし2人のどちらかの頭に当たっていたらと考えるだけで怒りが湧き上がった。
『おっとと。危ない。2人とも大丈夫?』
「「リッカ.....」」
『多勢に無勢.....よりにもよって素手対武器はダサすぎでしょ。何してんの?アンタら。』
2人に対しニッコリと笑いかけるとすぐに冷たい目をして10人はいるであろう集団へと視線を向ける。
「あ"ぁ!?」
「チョーシのんなよ!チビ!!」
「ガキは帰ってママにヨシヨシして貰っとけ!!」
『そのタトゥー。空暴露朱の元メンバーか。』
「だったらなんだよ。」
そう凄む男の腕にはウロボロスを模したタトゥーが入っていた。