第3章 タイムリープと決意
「そのレポートには報道されていない東京卍會の行状の一端が記されています。僕の前任者が命懸けで調べ上げたものです。」
カチッカチッとマウスを動かしスクロールするとかつての同僚だったであろう肉塊の写真が表示される。
「その写真は彼自身。」
「え!?」
「義姉さんと同じく潜入捜査していましたが身元がバレ、殺されました。遺体の眼下にくり抜かれた眼球の代わりに、彼を殺す一部始終を捉えたメディアが突っ込んであったそうです。」
「うぅっ...」
『っ...』
「異動願いを出し続けて、半年前殉職者の後任を拝命しました。一般市民の動揺を避けるべく...というのは半分建前ですが、捜査員の死は伏せられてます。」
『ご家族にはどう話したの?この人には家族がいたはずだけど。奥さんと子供が...』
「捜査中の不慮の事故と伝えています。二階級特進の上、遺体はあまり見せれるものではなかったのでこちらで火葬し引渡しました。」
『そう...そうだよね。こんなの奥さんにも子供にも言えないし、見せれないよね...』
「リッちゃん...」
「話を続けますね。東京卍會は以前から───」
話を続けるナオトはリツカたちに東京卍會のありとあらゆる知識、情報を叩き込んでくる。
正直頭がパンクしそうだ
「それにしても本当にこれって橘を救うために必要な事なのか?」
『....(まぁたしかに。)』
「君達の能力に問題があるとすれば1つ!
それは"12年前の今日"にしか行けないという事。」
「でも、それはお前の見解だろう?」
『まぁ、ナオトや私、タケミチがこうして生きてる時点でアレは現実だってことは確かなんだろうけどね〜』
「第一もう一度過去に戻れるかどーかも...」
「姉と杏花の死んだ日に戻り!姉と杏花が祭りに行くのを無理やりにでも止めれば2人を救うことが可能かもしれない!」
────ドクンッ!
ナオトのその言葉に2人の鼓動が鳴る。