第12章 運命の天秤
「オイオイオイオイ!」
「マジか!特攻服着て原チャ転がしてるチビっ子がいんぞ!」
「1人なんてまだ小学生じゃね?ちっさ!」
「東京卍會?聞いたことねぇな!」
「どこのシマで流してんだゴラァ!」
現れたのは【舞亜冥土】と書かれた特服を着た10人くらいの集団だった。
恐らくここら一帯を仕切っているチームなのだろう。
「ガキのオママゴトなら地元でやれや。ハマに来んな!」
その瞬間
一虎と場地が一瞬にして殺気立つ。
『(あ、終わったな。この人)』
「まぁ、せっかく出会えたんだからよぉ。その原チャぶっ殺してやるよ。要らねぇだろ?」
1人のリーゼントの男がバットを片手に降りてくると、マイキーに近づいていく。
「俺のホーク丸に指一本でも触れたら殺すよ?」
そう言ったマイキーの目には殺気が渦巻いている。その目を見た男はビビるように立ち止まると踵を返した。
「ま、ええわ。次またハマで流してるのみかけたら潰しちゃうかんな!」
「単車も全部燃やしちゃうかんな!」
「お勉強しとけ!」
男たちはそれだけ言うと笑いながら走り去っていく。
『負け犬の遠吠え、負け惜しみ、減らず口、引かれ者の小唄。』
「辛辣だな、オイ。」
『根性ないやつ嫌い。さっき完全にビビってた。』
「どうするよ。やっちまう?」
「いーね!あの人数なら瞬殺だろ!」
「やめとけ。もう行っちまった。」
「俺はバカだからどっちでもいいぞ。」
「全部原チャ乗ってるマイキーが悪い」
そう締めくくったドラケンにみんなが【間違いねぇ】と笑いだし、マイキーだけはムッと頬を膨らませた。
「はぁ!?何それ」