第12章 運命の天秤
「おーおー結構飛んだなぁ。いい所当たった?」
『半間。やりすぎ。気ィ失ってるじゃん。』
「いーんだよ。天使チャン。コイツ何も知らねぇ癖に舐めた口きいたからお仕置しなきゃなんだよ。」
『ふぅん』
「いいか。オマエら天使チャンの踏み絵はとっくに終わってんだよ。昨日、俺の目の前で自分の隊の副隊長を半殺しにしたんだよ♡」
「リッカ君!そんな!(それであの傷!)」
『.....』
「滑稽だったぜ?混乱する2人に容赦なくぶっ殺してたの。血まみれになって気を失っても殴り続けてたもんなぁ!あれ傑作だったわ♡」
『チッ』
静かにリツカは舌打ちすると、ふいっとタケミチから顔を背ける。
「もう天使チャンの入隊に文句言うやついねぇよなぁ?」
【.....】
誰も彼のようには成りたくないのだろう。
みんなが口を噤む。
「いいんだな?場地、リッカ。俺たちは東卍を潰す。そしてマイキーを殺す。」
「あぁ。力を貸すよ一虎」
『私もだよ。一虎。力を貸すよ。』
場地とリツカは揃って頭を下げる。
「(リッちゃん!本当にそれでいいのかよ!)」
『(ごめんね。タケミチ。もうこれしか方法はないの。)』
「これで十分なんじゃない?」
一虎が半間にそう問いかけると、半間がニヤリと笑みを浮かべた。
「よぉし!本日をもって場地圭介と蒼葉六花を芭流覇羅のメンバーとする!」
【おぉーー!!!!】
その場に大きな歓声が上がる。
そんな中リツカだけはただ悔しそうに拳を握りしめ、昨日あった出来事を思い出すのだった