第12章 運命の天秤
「リッカ。オマエ、マイキーのことが好きなんだろ?だから裏切れない。でもそんなお前がマイキーを裏切ってまでに芭流覇羅に入りたいって言ってる。」
「怪しさしかねぇよなぁ?天使チャン♡一体何考えてんだ?」
『別に。オレはマイキーのこと、好きって訳でもない、よ。』
平然としているがリツカは何かを我慢するようにギリィッと手に力を入れる。
「へぇ。じゃあさ。証明してよ。」
『どうやって?』
「俺の女になって♡」
その言葉を聞いたタケミチは我が耳を疑う。
「(!?一虎君。リッちゃんが女だって知ってるのか!?)」
『.....なんで?』
「リッカは仲間を裏切れない。そうだろ?なら仲間より強い絆で結ばれている何かを作ればいい。例えば恋人。恋人なら仲間よりも絆は強く、裏切れないだろ?」
『.....』
「どうする?天使サマ。俺の女になって、俺とキス出来たら仲間に────」
────ちうっ
その瞬間
一虎の唇に柔らかい何かが当たる。
あまりの事に一虎はポカンとし、半間は面白そうに笑っていた。
【!?】
『ファーストキス。これでいい?』
そういったリツカは一虎の胸ぐらから手を離し、皮肉げに笑う。
平然とファーストキスを一虎にあげたリツカを見て一虎と半間は面白可笑しそうにククッと喉で笑った。
「決まりだな。半間くん!リッカは今日から俺の"女"だ。芭流覇羅に入れても問題ないよね?」
「へぇ。天使チャン可愛いことすんじゃん。」
『.....』
「このくらいでいいでしょ。場地は戦力として使えるし、リッカは作戦を練るのが上手い。それに俺が居ない間の東卍にも詳しい。芭流覇羅に入れるだけの価値はありますよ。」
「あ、あの半間さん!一虎くん!流石にあのリッカに踏み絵も証人も無いなんてやばくないですか?」
「確かにいくら半間さんと一虎くんのオキニでも....」
「うるせぇんだよ。」
ゴッ!!
「あがっ!」
「ひ、ヒィッ!」
半間はニヤリと笑うと異議を唱えた男の前に立ち、顔面に向かって回し蹴りをする。
ゴッ!!!と鈍い音が聞こえ、男はふっ飛ぶと鼻血を出しながら白目をむくとそのまま倒れた。