第12章 運命の天秤
教室の扉が勢いよく開く、誰もが開かれた扉の方に目を向けた。
「あれ?もしかして学校って終わってる?」
困惑する5人に目もくれず、不躾に入ってきた青年は教室を見渡すとそう呟いた。
「なんだテメェ?見ねぇ顔だなぁ?」
「いきなりタメ口って。一応同中の先輩なんだけど。」
「あ?誰だよ。見たことねぇ。」
『ちょっマコト。そんなに威嚇しないで。』
「.....!?」
青年の首にあるタトゥーを見た瞬間山岸の顔が青ざめる。
そして凄みをきかせるマコトを急いで止めに入った。
「やめろ。マコト!この人は!!」
「ねぇねぇ?花垣武道って知ってる?」
「タ....タ....タケミチ、出た」
山岸は震える声でそう言うと顔を真っ青にする。
「この人が芭流覇羅のNo.3 羽宮一虎だ!」
『(一虎が芭流覇羅....本当だったんだ)』
「わ───!!」
一虎はタケミチの顔を見て嬉しそうに笑うと勢いよくタケミチに抱きついた。
「同中の1コ下に東卍の奴がいるなんて!!よし!タケミチ!リッカ!」
『「え?」』
「芭流覇羅のアジト行くぞ!」
「へ?芭流覇羅」
2人の手を握りしめた一虎は半ば強引に手を引き教室の外へと連れ出す。
「オイ!リッカとタケミチ居たぞ!」
「ソイツらっすか? 」
「おう」
『一虎....誰この人たち。』
教室の外で3人を待ち構えていたのは足を骨折し、松葉杖を着いた2人の少年だった。
「ん?俺の1番信頼してる後輩。」
「へぇーなんかあったんスか?2人とも松葉杖.....」
「昨日俺が折った。」
『何で折ったの.....』
「1番信頼してるからだよ。」
「一虎君に文句でもある?」
『ッ(怖っ....)』
「オイ。俺の天使サマに手ぇ出したら殺すぞ。」
「すいません」
一虎は2人に凄むと、リツカの手を握りしめ自分の近くに引き寄せた。