第12章 運命の天秤
それからタケミチは事の顛末のアッ君たちに説明していく。
説明を聞いたアッ君達はうわぁと顔色を青くした。
「────なるほど。その元 壱番隊隊長の場地君を連れ戻さないとマイキー君に殺されるってワケだ。」
『しかも芭流覇羅とモメるまでのタイムリミットつきなんだって。』
「そんなのいつモメるかわかんねーじゃん。」
「今日だったら?」
「南無三。タケミチ。骨は拾ってやる。」
いや、見捨てるのかよ。と内心リツカはツッコミを入れる。
「でも俺、東卍の内部事情とか全然知らないし芭流覇羅とかも何?ってレベルなんだよな」
「オイ。不良辞典(ヤマギシ)」
「ん?しょうがねぇな。説明してやるよ!」
山岸は得意げにそう言うと立ち上がり、近くにあった黒板に東卍の構成図を書いていく。
「総長のマイキー君に副総長のドラケン。その下に5つの部隊それぞれに20人くらいの構成員。計100人からなる巨大暴走族なんだ。ここまではわかってるよな。」
『わかってるよ。内部事情だからね。』
「へぇー知らなかった。でも、ん?リッカ君の隊ってどこに属してるの?」
『あぁそっか。これも説明しとかなきゃだね。山岸。マイキーの隣に線引いて。』
「お、おお。」
リツカの指示通り山岸は【マイキー → 特攻隊】と記す。
『オレの隊は他の隊と違ってマイキー直属の部隊。構成員も10人弱の小規模。主に内輪モメとか敵対組織の情報収集とか......あとは単独で族潰しを担当してる部隊なんだよ。』
「へぇー(か、過激ぃ.....)」
「まさかそれも知らなかったのか!タケミチ!オマエそれでも不良か!?」
「すんません」
「俺の聞いた話だと元 参番隊隊長のパーちん君が捕まって副総長のペーやん君は弐番隊隊長に入ったらしい。」
『三ツ谷のとこか。じゃあタケミチと同じ隊だね。』
「(同じ隊か。苦手なんだよな。声怖ェし。)」
ガックシと肩を落とすタケミチにドンマイと言わんばかりにリツカは肩を叩く。