第12章 運命の天秤
そう言われてポケットから取り出されたものにリツカは思わず目を見開いた。
お守りだ。本来場地が持っているはずのお守りをタケミチが持っていたのだ。
『タケミチ!これをどこで。』
「昨日の集会の帰りに拾ったんだ。その中身を見たんだけどこの写真.....」
小さく織り込まれた写真が開かれる。
『これ.....』
間違いない。
東卍創設時にみんなで撮った記念写真だ。
「マイキー君から聞いたんだけど東卍の創設メンバーはリッカ君を合わせて6人らしいんだ。」
『ッ.....』
「でも写真には7人いる。これってどういう事?」
リツカの表情が一瞬にして曇っていく。
どこから話していいのか。いやそもそもこれは話してもいいものなのか....
ぐるぐるとリツカの中で様々な考えが入り交じる。
『っ......』
「リッカ君?」
『.....それは─────』
「タケミチ!!聞いたよ。オマエ東卍のメンバーになったんだって!?」
『「アッ君....」』
真実を話そうとリツカが唇を切った瞬間
タイミングよくアッ君達が教室へと入ってくる。
「ん?どうした?2人して浮かない顔して」
『あ、タ、タケミチが東卍のメンバーになっちゃったって話してて。ね?タケミチ』
「へ?そ、そう。東卍のメンバーになっちゃったよ。成り行きで.....」
「へぇー何があったんだよ。」
「"泣き虫タケミチ"が東卍かよ....」
「俺らも入りてぇー」
「それがそんなにいい話でもねぇんだよ。」
ガクリと肩を落とすタケミチを目に4人は不思議そうな顔をすると顔を見合せた。