第12章 運命の天秤
数回コールが鳴り、電話の相手が出てくる。
「ハイ。もしもし。」
『もしもし。タケミチ。大事な話があるの。ちょっといい?』
《う、うん》
真剣な趣で話すリツカにタケミチはゴクリと固唾を飲む。
《 話って?》
『......。タケミチ。私芭流覇羅に行くことにした。』
《え!?ちょっ!は!?どういうことだよ!リッちゃん!》
突然告げられた言葉にタケミチは驚愕し目を見開く。
『私なりに調べたんだ。圭介は私たちが知らない何かを知ってる。そして12年前の10月31日何者かによって殺される。恐らく口封じに.....』
《10月31日?》
『うん。その日に何かあるはずなの。圭介が東卍を抜けた今、東卍にいても圭介を守れない。』
《だから芭流覇羅に行くのかよ。危ねぇよ!まだどんなチームかもわかってねぇのに!それにリッちゃんは創設メンバーだろ!?そんな簡単に東卍を抜けてもいいのかよ!》
『危ないのはわかってる。でも圭介を守るにはこれしか無いと思うの。』
《.....リッちゃん。》
タケミチが苦しそうに呟いた瞬間
ジャリッジャリッ....電話の向こうで誰かがリツカに近づいてくる足音が聞こえてくる。
《リッちゃん。誰かそこにいるのか!?》
『.....ごめん。タケミチ。しばらく会えそうにない。』
「え!?ちょっとリッちゃ────
────ブツ。ツーツーツー.....
それだけ言うとリツカは一方的にブツと通話を終わらせた。