第12章 運命の天秤
「リア....組織をデカくするのはしんどいね。新しい風入れたら出て行っちゃうヤツもいる。」
『.....』
「夢への道は遠いな。」
『大丈夫だよ。マイキーの夢は絶対に叶うよ。』
「ん。」
『(そのために私がこうしているんだから。何としてでも圭介を止めてみせる。)』
悲しそうに抱きつくマイキーにリツカはソッと抱きしめ返す。
その日の夜は何故かとても寒くて喪失感の中リツカたちは家路に着いた。
「じゃあ俺先帰るな。リア。バイバイ」
『うん。バイバイ。マイキー』
走り去っていくマイキーを貼り付けたような笑みで見送りリツカは大きくため息を着くと、タバコを取りだし火をつけた。
『あの言葉の意味......』
【一虎が帰ってきた。その意味お前にもわかんだろ。】
『わかってる。わかってるよ。でもどうせ私たちはあの日から引き返せないんだ。堕ちるなら私も連れて行ってよ....』
冷たい月が煌々と光る中
リツカは涙を流すとどこか覚悟を決めた顔で空を見上げる。
『覚悟を決めるしかないよね。』
そしておもむろにポケットから携帯を取り出すと、タケミチへ電話をかけた。