第12章 運命の天秤
卍 卍 卍
『ん.....』
次に目を開けると煌々と光る月と空を彩る星々が目に入った。
数度瞬きしたあと、喉がヒュッ!と音が鳴り重い咳を何度も繰り返す。
するとマイキーが心配そうに覗き込んだ。
「リア。大丈夫か?」
『マ、イキー....場地.....そうだ!圭介は!?────ッ!』
「無理すんなって、倒れてるところを三途が見つけた。場地にやられたんだろ?」
『うん』
コクリと頷くとマイキーの雰囲気が一瞬にして重くなる。
辺りにヒリヒリとした空気が立ち込めマイキーが怒った表情を浮かべていた。
『マイキー。顔怖いよ。オレなら大丈夫だから。』
「すっげぇ心配した。」
『ごめんごめん.....』
「俺から離れるの禁止っていつも言ってんじゃん。離れられるとオマエを守れない.....」
『そうだね。』
マイキーの頬を撫でるとまるで猫のようにスリと頬を擦り寄せた。
少しでも慰めれればとリツカはマイキーの好きなようにさせる。
『ごめん。マイキー。圭介。止められなかった。』
「オマエのせいじゃねぇ。」
『でも......』
「.....場地。アイツ何考えてんだろ。」
『圭介には圭介の考えがあるんだと思う。昔からそうだから。』
「だな。眠いっていってすれ違った奴殴るし」
『お腹すいたからって車に火つけるし....あれはびっくりした。』
カラカラと2人の笑い声が夜の神社に響く。
一頻り笑った後マイキーは少し寂しそうな表情を浮かべると未だに楽しそうに笑うリツカを見つめた。
「リア。オマエだけは俺から離れないよな?」
『どうしたの?急に.....』
「いいから。俺から何があっても離れないで.....オマエが俺の傍から居なくなったら俺何するかわかんない。だからずっと一緒に居て。」
『....うん。』
マイキーは柔らかな笑みを浮かべ、フッと笑うとリツカの手を握りしめ、マイキーは空を見上げる。