第12章 運命の天秤

『なんであんな事言ったの。なんで東卍を抜けるなんて....』


「東卍に愛想が尽きた。そう思ったから抜けただけだ。」


『嘘.....』


「嘘じゃねーよ。」


『嘘だよ！ねぇ圭介。何で！？』


「...」


『なんで何も言ってくれないの？何をそんなに焦ってるの？』


「は？意味わかんねー。何言ってんだ？オマエ。焦ってねぇよ。」


『焦ってる！何か知ってるんでしょ！私たちが知らない何かを！』


「あ？オマエ何言ってんだ？」


『稀咲鉄太。アイツには何かがあるそれに圭介も気づいたからこんな事してるんでしょ？ねぇ教えて何があったの！？』


「ンでもねぇよ。何かあってもオマエには関係ねーだろ。」


『関係ある！仲間でしょ！』


「ねーって。それに俺は東卍を辞めた。もう仲間じゃねー。」


『やだ。私は認めないっ！』


「いい加減離せっ！！」


『嫌！圭介！約束したじゃん。一緒に一虎を待つって約束したじゃん！なのになんで！』


更にきつく握りしめられる自分の袖に場地は困ったようにため息を着くと空を見上げた。


「.....リアァ。一虎が帰ってきた。この言葉の意味オマエならわかんだろ。一虎はマイキーを憎んでる。もう止められねーんだよ。」



『一虎が.....』


告げられた衝撃の事実にリツカは大きく目を見開く。


「いいかリアァ。東卍にいるつもりなら稀咲には関わんな。じゃないとオマエ、アイツに取り込まれるゾ。アイツの狙いはオマエだ。」


『！？それってどういう────カハッ！！』


問いかけようとした瞬間
腹部に貫かれるような痛みが走る。


「リアァ。悪ぃな。お前を連れてくワケにはいかねぇんだ。」


『け....すけ....』


息が出来なくなって、リツカの意識は暗転して行った。