第12章 運命の天秤
「ハァハァ.....」
『タケミチ!大丈夫!?』
「大丈夫.....」
そして忌々しそうに場地は三ツ谷の手を振り払うと離れた場所にいたマイキー睨みつけた。
「マイキー!!」
「何しに来た?場地。オマエは内輪モメで集会出禁にしたはずだ。」
「今またしょぼいガキ殴っちまった。大事な集会ぶち壊した俺は今度こそクビか?」
「......。場地」
「俺、芭流覇羅行くわ。」
『(圭介。何言って....!)』
「問題児は要らねぇんだろ?マイキー。」
言うだけ言った場地は何も言わず背を向けて歩き始める。
「場地!!」
呼び止める声にフッと鼻で笑った場地はゆっくりと振り返るとマイキーを見据えた。
「辞めてやるよ。壱番隊隊長 場地圭介は本日をもって東卍の敵だ。」
「(壱番隊隊長!?)」
突然の宣戦布告に誰もが何も言い返せず口を噤む。
誰もがその事実を受け入れられず、驚きと困惑で辺りは騒然とした。
『待って!待ってよ!場地!』
なんの理由もなく場地がこんなことするわけが無い。そう踏んだリツカが呼び止めるも一瞬だけ動きを止めた場地は無視して去っていく。
『ッ!....』
「あ、オイ!リッカ!」
追いかけようとするリツカを三ツ谷は止める。
「今追いかければ、オマエも同じになるぞ!」
『だから何?離して』
─────パンッ!
「あ、オイ!!」
冷たい声でそう言ったリツカは三ツ谷を振り払い、呼び止める声も無視して急いで場地の後を追う。
『待って!待ってって!場地!』
「.....」
『〜〜っ!圭介!!』
ピタリ。と場地の動きが止まり階段を駆け下りていたリツカは急に止まれず思わず場地にダイブする。
『わぁっ...!』
「っぶねぇな。気ィつけろ。」
『ごめん。ありがとう。』
受け止めてくれた場地の暖かさにリツカはホッと胸を撫で下ろすと真剣な目で場地を見据えた。