第12章 運命の天秤
『(タケミチ!?)』
「何やってんだ!?タケミっち!?」
「ん?」
殴られた稀咲は反動でよろめくと、かけていた眼鏡が地に落ちヒビが入る。
「オイ....何やってんだアイツ」
「ヤバくね?」
「幹部に殺されんぞ」
辺りに緊張が走り、目の前に起きた衝撃的な現実に誰もがどよめいた。
「東卍でもねぇテメーが何してやがる!?タケミっち!!!任命式を潰す気か!?」
「ドラケン君.....」
「どういう事だ。タケミっち!?」
「テメーマイキーの顔に泥塗るつもり!?」
『チッ!』
やばい。確実に殺されるそう思ったリツカは舌打ちをすると、幹部の怒りを買ったタケミチを守るために走り出す。
『やめなよ!』
「「「「あ"?」」」」
『何か理由があるかもしれない。理由聞いてからでもヤキは入れれるでしょ。』
「何?リッカ。コイツ庇う気!?」
笑顔で指をボキボキと鳴らしながら睨みをきかせるスマイリーにリツカは皮肉げに笑ってみせる。
『....庇うって言うかさ。オレやっぱ認めれない。』
「何がだよ。」
『パーを追い詰めたチームの奴が隊長?それも参番隊の.....そんなことまかり通るわけない。笑わせないで。オレは絶対認めない。参番隊の隊長はパーちんだ!』
「テメー!!」
まさに一触即発
スマイリーがリツカに向かって拳を振り上げ、誰もが内輪モメが起きると焦りを隠せず咄嗟にタケミチが止めようと思った瞬間だった。
「なんだ?なんだ?」
『!』
「オモシレェことになってんじゃん!」
「場地....」
「テメーは謹慎中だろ?」
場地と呼ばれた青年はニヤリと笑うと、タケミチの側まで走り寄りあろう事かそのままタケミチの顔面に拳を喰らわせたのだ。
『ちょっ!けい.....場地!!』
ゴッ!!パンッ!!
突然の一方的な暴力
誰もが唖然とし動けない中、場地がトドメを刺そうと拳を振り上げた時
「場地やめろや。」
見かねた三ツ谷が場地を止めた。
「離せや。三ツ谷。殺すぞ。」
「オマエ何がしてぇの?」
2人の空気が肌でわかるほどピリついた。
お互いがお互いを牽制し合う空気の中、尻もちを着いたタケミチに急いで駆け寄る。