第11章 呪われし約束を胸に
「オマエは今すぐ東京から....日本から逃げろ。オマエなら外国に行っても変わりないだろ。アイツらの手の届かないところに逃げろ。」
『え....?』
「稀咲だけじゃねぇ。マイキーも半間もお前のことを狙ってる。誰が先に殺してでもお前を自分のモノにできるかってな。」
『なんで.....オレを.....』
「お前の存在はマイキーだけじゃねぇ俺たちの中でも大きかった。本当はアイツもお前を手放したくなかったんだ。それでもオマエを守るために遠ざけた。そのはずなのにその思いはいつの間にか憎悪に変わっていった。」
『憎悪....』
「.....もうマイキーはお前の知ってるマイキーじゃねぇ。アイツはどんな手を使ってでも.....それこそお前を殺してでも手に入れるつもりだ。」
ゴク。何度目か分からない固唾を飲む。
ドラケンは視線だけをリツカに注ぐと、悲痛な笑みを浮かべた。
「オマエさえ....オマエさえ居れば東卍もアイツも違う道を選んでたかもな....」
『.....』
バタン閉じられた扉にリツカは無力感を覚えるのだった。
「リッカ.....マイキーを助けてやってくれ。」
ドラケンは灰色の壁に覆われた場所で空を見上げると呟く。
その顔は辛そうに歪められていた。