第11章 呪われし約束を胸に
「(稀咲!?)」
『(稀咲って!?稀咲鉄太!?)』
「稀咲ってあの....!?」
─────ブー
思わず立ち上がったタケミチが問いかけようとした瞬間
部屋のブザーが鳴り響く。
「時間です。」
そう言って入ってきた刑務官に従うようにドラケンは席を立つ。
「ドラケン君!」
『ドラケン!』
「タケミチ。リツカ。東京から離れろ。」
『「え?」』
「殺されかけたんだろ?」
ドクン
確信を着くドラケンの問いに2人の心臓が嫌な音をあげる。
冷や汗と動悸がして胸が締め付けられるような感覚が2人を襲った。
「だからここを訪ねて来た。稀咲にとって人を殺すのは虫を殺すくらいの事だ。」
『ちょっと待ってよ!』
呼び止めようとする声にドラケンはピタリと立ち止まった。
「なんで!?なんで俺たちが命を狙われるんですか!?」
「....稀咲はマイキーに心酔してた。でもそれがいつの間にか憎悪に変わっていた。稀咲はマイキーの大事なモン全て奪いたいんだよ。」
「(稀咲....)」
『(マイキー....)』
「リッカ....」
『?』
呼ばれた自分の名前にリツカがドラケンに視線を向ける。