第11章 呪われし約束を胸に
卍 卍 卍
────2017年 10月20日 東京
「あ!リッちゃん。ナオト。こっちこっち!」
『ごめん。タケミチ。少し遅くなった。』
「お待たせしました。」
「大丈夫。あれから音沙汰ないからどうしたのかと思ったよ。」
スマホを弄るタケミチに声をかけるとすぐに視線が2人に注がれる。
『ごめん』
「すみません」
「でもさこんな所に何の用」
─────東京拘置所
『ちょっとね.....』
天高く聳え立つ建物にリツカとタケミチは視線を向ける。
リツカは少しバツが悪そうに言葉を濁すと、3人は拘置所の中へと入り面会室へと通された。
「調べたんですが....今の東卍に龍宮寺堅が存在していませんでした。かといって死亡した記録もない。いくら探してもいないワケです。龍宮寺堅は今────」
─────「死刑囚なんです」
言い終わると同時に扉が開き、1人の大柄な男性が入ってくる。
辮髪にドラゴンの刺青.....2人が知っている男気溢れるドラケンはそこにはもう居らず、少しやつれ、罪を犯し収容されている者らしい坊主姿のドラケンが立っていた。
「久しぶりだな"タケミっち" "リッカ"」
2人の目を見てドラケンは痛々しい笑みを浮かべる。
「無事でよかった。」
2人は12年振りの再会を喜ぶように、そして痛々しい彼の姿に胸を痛めるように涙を浮かばせる。
『ドラケン.....!』
「.....ドラケン君っ」
『元気にしてた?』
「まーな。2人とも元気そうで何よりだ。」
嬉しそうにする2人を他所にナオトはゴクリと固唾を飲む。