第11章 呪われし約束を胸に
卍 卍 卍
それからの歳月は長いようで短かった。
ナオトもタケミチも普段の仕事をしながら、できる限りの情報を集める生活を送っていく。
あの日以降東卍から命を狙われることなく、平和な日々が続いている。
しかしそれに比例するかのように、東卍の情報は何ひとつとして有力な情報が掴めないでいた。
「全然見つかりませんね。龍宮寺堅.....」
『そうだね。ドラケンだけじゃなく東卍の情報1つ掴むのでも一苦労....まさに大海撈針(たいかいろうしん)ね』
「ここまで見つからないとなると、過去のどこかで龍宮寺は東卍を抜けているのでは?」
『まさか、それは無い。』
「何故そう言えるんですか?」
『私はずっとみんなの背中を見てきたんだ。だからわかる。ドラケンが東卍を.....マイキーを見捨てるわけない。』
「ですが、そうでもなきゃここまで東卍を調べてるのに彼の影一つすらも見当たらないのに合点が行きません。」
『まぁそうだけどさ......』
リツカは疲れたように背もたれに全体重をかけ、見上げるように窓の外
夏が終わり秋の風を運ぶ空を見つめた。
『.......あの子に逢いに行ってみるか.....』
そう遠い目で呟いたリツカは目まぐるしい日々の中とある一室を訪れることにした。