第11章 呪われし約束を胸に
卍 卍 卍
「千堂敦、並びに花瀬海寿について調べました....
まず千堂敦ですが、今回の彼は結婚して子供もいました...」
東堂と別れたリツカは、タケミチに連れられナオトが待つ中庭で衝撃の事実を知らされた。
「え!?アッ君が!?なんで家族がいるのこんなことを.....」
「家族は今行方不明です。」
『「え....?」』
「恐らく家族を人質にされて脅されていたんでしょう。」
『そんなっ.....』
あまりにむごい現実にリツカは自身の口に手を当てる。
「次に花瀬海寿ですが.....彼は東卍のメンバーでした....どうやら警察官になりすましていたみたいです。」
『でもそれだけじゃ海寿があんな事する訳....』
「どうやら彼も兄を人質に取られていたみたいです。」
『兄って....海國を....!?』
「はい。彼の兄、花瀬海國は約数年前から昏睡状態です。恐らくは警察内部に忍び込み義姉さんの情報、そして警察が所有している東卍の情報統制....最後に義姉さんの殺し....これらを失敗すれば、兄を殺すとでも脅されていていたのでしょう。」
現に兄の花瀬海國は昏睡状態で逃げられませんからね。と悔しそうに吐かれた呪いの言葉にリツカは血が滲むほど拳を握りしめた。
『....海寿....ずっと1人で戦ってたんだ....』
「千堂や花瀬は死ぬ間際に何か言ってませんでしたか?」
「ああ。また同じ東卍の言いなりだって....」
『海寿も同じこと言ってた。』
「はぁ。また東卍ですか......」
『そういえば....』
「どうしたんだ?」
『半間がいたの....杏花が殺されたあの場所に.....』
「!?(なんで半間が....)」
『(それにあの言葉.....)』
【場地圭介.....アイツはもう死んだ。】
今思い出すだけでも、背筋にたらりと冷たい汗が伝う。
腹の底から恐怖という恐怖が湧き上がりリツカはギリィッ....と拳を握りしめた。