第11章 呪われし約束を胸に
「杏花様はあなたと出会えて幸せだったと言っていました。どうか自分を責めないでください。どうかあの方が好きだった貴女を否定しないで.....」
『杏花っ.....』
「リッちゃん!」
リツカはネックレスを握りしめるとその場に崩れ落ちた。
『.....たい...ら。』
「?」
『絶対助けるから....何度失敗しても何度奪われても....杏花が、みんなが幸せな未来を....掴んでみせるから。絶対に諦めないからから。』
呪われし誓いをその胸に宿し
何度でもこの異様なる世の中で無慈悲なる神に祈りを捧げよう。
例えこの身が運命の炎に焼かれることになったとしても...
『命に代えても私が絶対に助けてみせるから....!』
目の前のネックレスに誓うように呟いたリツカの瞳には悲しみと決意が渾沌に混じり合う蒼い炎が宿っていた。