第11章 呪われし約束を胸に
優しい声がリツカの耳に届いた。
「リッちゃん....?」
「?」
『あ.....タケミチ.....』
「もしかして話し中だった?」
『っ....ううん。大丈夫。ナオトは?』
「落ち着いたって。さっきヒナのおふくろさんが言ってた。」
そう言って優しい声をかけたのは真新しい喪服に身を包んだタケミチだった。
『それで、どうしたの?』
「....ちょっといい?」
『.....わかった....』
「あ....お嬢さま」
『....先帰ってて。話長くなるから。』
「お願いです。待ってください。」
そう言って東堂は意を決した表情を浮かべるとリツカの腕を掴み、ポケットから白い布に包まれたを差し出した。
『コレは....?』
「開いてみてください。」
杏花様が大切にしていたものです。と言葉を付け加える東堂を他所にリツカは震える手で白い布を開くと大きく目を見開くき、震える手でそれをつまみ上げた。
『これはっ....!』
リツカの手にあったのはすっかりくすんでしまい鈍い紫色の光を放つアメジストのネックレスが握りられていた。
「お気に入りだったみたいです。いつも肌身離さず持ち歩いて。嬉しそうに言っていましたよお嬢さまがプレゼントをしてくれた大切なものだと。」
【お兄ちゃんの目と似てるね!私この色大好き!】
『!』
東堂の言葉を聞いた瞬間
遠い日の記憶なってしまったネックレスをプレゼントしたあの日がリツカの脳裏に浮かぶ。