第11章 呪われし約束を胸に
「こんなところにいらしたんですね」
『....』
背後から聞こえてきたあの頃と変わらない優しい声にリツカは少しだけ視線を向けるとそこには黒服に身を包んだ東堂が立っていた。
『あの人たちは?』
「朝も申し上げた通り商談があるため、残念ながら来れないと....」
『来ないの間違いでしょ....!?どうせ杏花は私という代わりがいるもの。行く価値がないとでも思ったんでしょ。あの人たちはいつもそう!何かあれば家の為、蒼葉グループの為!私たちのことなんて見てくれない....私たちはあの人たちにとってなんなのよっ.....!!』
「お嬢様.....」
『私たちは物やペットじゃない!1人の人間なのよ!なのにっ....ッ!杏花、ごめんねっ。こんな家にさえ来なければ....私のせいで杏花はっ.....』
「それは違います!!」
『....お前に何がわかるっ....!!』
「分かりますとも!!僕もあなたに救われた1人です。
杏花様は幸せだと、あなたの妹になれて....家族になれて幸せだと言っていました!そんなに自分を責めないでください。」
『現に!!現に....杏花は私のせいで殺された.....』
「それはどういう.....」
『私のせいよっ.....!何もかも全部!!やっぱりあの人たちの言う通りだった!私さえ生まれて来なければっ....私さえ─────!』
自傷気味に吐かれた言葉に東堂は気まずそうに視線を逸らした瞬間