第11章 呪われし約束を胸に
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【リツカ義姉さん!姉さんがっ!!!】
杏花を失ったあの日、友人である日向も12年前と同じく殺された。
無機質なスマホから告げられた無慈悲な現実にただあの時と同じ無力感と与えられた現実を受け入れることしか許されなかった。
2人の遺体は事件性があると検視が行われ、すぐには返って来ず、結局葬儀をしたのは2人が死んで数日後の事だった。
「この度は故 橘 日向と故 橘 杏花の葬儀に参列していただき厚くお礼申し上げます。」
日向にとっては実父そして杏花にとって義父に当る人物が参列者に向かって挨拶を述べる。
『.....』
「リッちゃん.....」
妹だけではなく、親友そしてかつての右腕だった友人を同時に失ったリツカは心ここに在らずと言わんばかりに骨となった2人の遺骨と遺影を眺めていると、心做しか決意を瞳を持ったのタケミチが心配そうに声をかける。
『タケミチも狙われたんだね。』
泣き腫らした赤い虚空の瞳をタケミチに向けるとタケミチは酷く辛そうな顔をして頷いた。
「う、うん。リッちゃん大丈夫.....?」
『....大丈夫。それよりヒナ、も殺されたんだね.....』
「うん。俺っヒナが死ぬ時出来なくて.....」
ごめん....そう謝られたリツカはただ冷たい視線をタケミチに降り注いだ。
わかっている。彼が悪い訳では無いと。
しかし、今のリツカにとって【4人】の死は受け入れ難い現実だった。