第11章 呪われし約束を胸に
『あなた達がなんと言おうと杏花は私の妹です。』
「リツカ!どこに行くつもりよ!お父様がまだ───」
『杏花のお葬式です。』
冷たくそう言い放つとリツカは書斎のドアノブを握る。
「リツカ!待ちなさい!」
『......』
「はぁ....やはりお前はいつまでたっても私たちを困らせる。12年前と何ら変わらない。少しは成長したと思ったのに。」
『だからなんですか?』
「こんなことなら....やはりお前なんて生まれて来なければよかったよ。」
『っ.....』
「いいかリツカ。杏花が死んだ以上、お前は跡取りとして生きてもらう。今までのように勝手な真似はしないことだ。"これ以上みなに迷惑をかけたくなければな"。」
『それはどういう意味ですか?』
「言葉通りの意味だ。わかったな?リツカ」
『ッ.....はい。わかりました。』
それだけ言い残すとリツカは式場へと向かった。