第2章 目を覚ましたら過去だった....
卍 卍 卍
次に目を覚ますとそこは見慣れない天井だった。
ここは?と辺りを見渡す。
『ん...ぅん。』
「ああ!蒼葉さん!目が覚めたんですね!!」
そう言って長いカーテンの捲って入ってきた看護師に視線を向ける。
『ここは?』
「すぐに先生を呼んできますね!」
感極まった看護師は質問に答えることなく、部屋を飛び出していく。
すると入れ替わるように2人の青年が部屋に入ってきた。
「良かった。目が覚めたんですね。」
「リッちゃん!良かった!目が覚めたんだ!」
『え...誰?』
見覚えのない青年たちにリツカは不思議そうな表情を見せる。
すると、スーツを来た青年は人の良さそうな笑みを浮かべると、革靴を鳴らしながらリツカに近づく。
「橘直人です。お久しぶりです。義姉さん。」
『え...ナオ...ト?じゃ、じゃあ隣にいるのは...』
まるで幽霊でも見たような顔をしながらナオトの隣の人物に指を指すと、濡鴉の髪に青い瞳の青年が少し困った笑みを浮かべながら、ナオトの隣に立つ。
「えっと...多分だけどさっきぶりだな。」
『タケミチ...ナオト。2人ともなんで生きて...それに私はあの時...』
ボォーとしていた意識がだんだんとはっきりしていく。
そうだ私はタケミチと一緒に電車に引かれたんだ。
え?じゃあ私なんで?
リツカは驚いたように勢いよく上体を起こすと自分の頭に触れる。
頭には真っ白なネットと包帯が巻かれており、微かに薬品の匂いが漂っていた。
「混乱するよね。順番に説明するよ。ナオトが。」
『(あ、今ナオトに丸投げした...)』
コホン。ナオトは咳払いをするとゆっくりと今の現状を説明し始める。
「まず、ここは病院です。助けた際に頭から血を流し気絶していたので、とりあえず病院に運びました。」
『あ、そうなんだ!ありがとう。』
「はぁ....義姉さん....相変わらず緊張感ありませんね。次に僕たちが生きている理由ですが、
2005年の7月4日、僕の運命を君たちが変えた。」
『え...』
「君たちはタイムリープしたんです!
そして、僕は生きながらえてタケミチくんと義姉さんを助けた。タケミチ君と貴女はタイムリープしたことで今を変えたんです!」
『そんな...じゃああれは...』