第2章 目を覚ましたら過去だった....
「ぶっ飛んだ話だけどよ。2017年の今日俺たち駅のホームから線路に落ちてさ、死んだと思ったら中学生。12年前の自分になってた。」
「え?」
「長ぇー夢見てるだけかもしんねぇけどさ。」
『きっと神様が最後にもう一度大切な人達に合わせてくれたって思うんだ。』
2人は寂しそうな笑顔を浮かべ空を見上げる。
その姿はどこか儚げで、触れてしまえば消えてしまうのではないかとナオトは思った。
「え?どういうこと?」
『「12年後の7月1日」』
「お前の姉ちゃんは死ぬ。その時ナオト。お前も一緒に死ぬんだ。」
『キョウカも2人と一緒に抗争に巻き込まれて死ぬ。酷い殺され方でね。』
ナオトの顔が絶望の色に染る。
しかし、そんなことお構い無しにリツカたちは語る。
『「2017年7月1日この日を覚えておけ。」』
「そんで姉ちゃんを守ってくれ。頼むよ。」
タケミチはまるで覚悟を決めた様な表情を浮かべナオトに手を差し出す。
「うん。わかった。」
タケミチの真剣な眼差しにナオトも真剣な顔になると2人は握手した。
するとタケミチの首がカクン。と落ちる。
どうやら本来の世界に帰って行ったようだ。
リツカはどこかホッとした様子を見せると、ナオトに向き直った。
『ナオト。』
「はい。」
『...お願い。未来を、運命を変えて。杏花を救って欲しい。杏花のことは君に託したよ。幸せにしてあげて....(私じゃ出来なかったことだから....)』
「わかりました。姉も僕も杏花ちゃんも死なない未来を作ります!」
『フフ。約束。』
リツカはナオトに小指を差し出した。
ナオトは少し照れくさそうに小指を差し出すとリツカの指に絡めた。
ぎゅっと2人が指切りをすると、パキンっ!!脳内で何かが割れるような音が響き、リツカは意識を手放した。