第10章 つかの間の幸せと絶望は死神とともに
2人はアッ君のカットモデルをした後、ナオトが待つ駐車場へと向かった。
「義姉さん....杏花は今出産のため実家に帰っています。僕はタケミチ君について行きますが.....1人で大丈夫ですか?」
『....え、出産!?』
「はい。義姉さん伯母になるんですよ。10月の31日が予定日なんです。」
『小さかったあの子が母親にね。早いもんだね。』
「当たり前じゃないですか。義姉さんたちはさっき帰ってきたからそう思うかもしれませんが、こっちでは12年も経ってるんですよ。もう立派な女性です。」
『.....そっか。そうだよね。』
「1人で大丈夫そうですか?」
『.....うん。大丈夫!私1人で行くよ。久しぶりに姉妹水入らずで話したいし。』
「わかりました。気をつけて行ってきてください。」
『うん。』
リツカは少しだけ安心したような笑みを零すと、コクリと頷いて2人と別れた。