第2章 目を覚ましたら過去だった....
「そういえばソイツらは?」
「あ、橘直人です。」
「たちばな...じゃあお前橘の弟?」
「あ、姉ちゃんならいます。」
「じゃあまさか、隣の子は...」
『ああ、オレの妹の蒼葉杏花だ。キョウカ、コイツは花垣武道。オレの友達だ。大丈夫だよ。』
そう言って後ろに隠れている妹を武道の前に引きずり出す。
「あ、えっと...も、蒼葉杏花です...」
「うわぁ!キョウちゃんじゃん!その姿めっちゃ懐かしい!」
「え?えっと...私...あなたに会うの初めて...」
「あ、そっか。この世界では初めてか。にしてもリッちゃんもキョウちゃんも12年後と印象違うね。」
『まぁな、キョウは元々恥ずかしがり屋だからな。』
「へぇ知らなかった。」
『ああ...タケミチと初めてあったのって...私たちが卒業する少し前だったしな....
そういえばタケミチは日向に逢えた?』
「うん。すっげぇ。懐かしかった....でもそれと同時に思い出したよ....俺、橘のことが好きで好きでどうしようもないくらい大好きだったんだって。」
『......そっか。良かった。お互いその気持ちを思い出すことが出来さ。』
「うん。」
『本当に良かったよ。お互い最期に大切な人に逢えて。』
「あの、さっきから線路に落ちたとか死んだとかどういうことですか?」
ナオトは釈然としない表情で2人に問いかける。
タケミチとリツカは答えていいのかと迷った様子でお互いの顔を見合わせる。
一向に話そうとしない2人に痺れを切らしたナオトが今一度問掛ける。
「線路から落ちたとか、死んだとかって言ってましたけど.....それにタイムリープってどういうことですか?」
「...」
『...』
不思議そうな2人の眼差しを見て武道もリツカも黙り込む。
『杏花、悪いけど少しだけあっちの砂場で遊んでてくんない?』
「えー!」
『お兄ちゃんたちとナオトは少しだけ大切な話をしなきゃなんだ。な?いい子だから。』
「.....わかった。」
『ありがとう』
砂場へと向かう杏花を見送ると二人は決心したように語り出した。