第2章 目を覚ましたら過去だった....
「あ?」
『武道...だよ、な?』
この声は...まさか。
弱々しく呟いたリツカの声に反応した武道は勢いよく振り返る。
「蒼葉六花?」
『うん.....良かった。お互いここにいんだ。』
目の前にいる武道が12年後のタケミチだという確証はない。
でも、リツカは目の前にいるタケミチが何となく自分と一緒に電車に引かれたはずの12年後のタケミチだということを悟っていた。
その証拠に
「リッちゃんじゃん!良かった!リッちゃんも居たんだ!本当に無事でよかった.....」
と答えた。
『(あ、うん。無事?では無いと思うけどね?多分私たちの身体を木っ端微塵になってると思うんだけどなぁ....)』
ははは....と乾いた笑みを浮かべるとはぁと大きくため息を着く。
「ん?リッちゃんどうしたの?」
『いや、なんでもない。
ところで、タケミチどこまで覚えてる?』
「えっと...12年後の今日、駅のホームに落ちて死んだって思ったらここにいた。」
『ってことはやっぱり....私たち轢かれたかもな。』
「じゃあ、リッちゃんも俺も死んじゃったってこと?」
『うーん。可能性はあるかもしれない。私も死んだって思ったら気づいたらこの姿になってて。めっちゃビビった。』
「そっか。まさかリッちゃんもいるなんて思わなかったな。これなんなのかわかる?」
『走馬灯でないとしたら、多分タイムリープ的なものだと思うんだけど...』
「タイムリープって何?」
『知らん。』スンッ( ˙꒳˙ )
「だよね...(即答しなくても...)」
飲み込めない現実に2人は腑に落ちない顔でため息を着いた。