第9章 8・3抗争
『マイキー』
「......」
炎天下の中、屋上で寝ていたマイキーはパチリと目を開けると横目でリツカを捉える。
しかしその表情は暗くまるで別人のように感じた。
「スッキリしねぇ。」
『え?』
「頭ん中のモヤモヤが消えねぇんだ。」
『モヤモヤ?』
「なんで半間は東卍の内部抗争を企てた?なんでキヨマサ一派を使って殺そうとした?
1番の謎はさぁ────
内部抗争もケンチンが狙われてることにもいち早く気づき止めようとしてたオマエとタケミっちだよ。リア」
緊張が辺りを支配する。
ビリビリとした空気が肌を刺し、まるで固定されているかのようにマイキーから目が離せない。
「オマエは一体何者だ?オマエは俺が知ってるリアじゃねぇ。ずっと引っかかってた。何かが違う。」
─────「オマエ一体誰だ??」
殺気さえある瞳で睨まれた瞬間
恐怖と緊張で喉がヒュッ!と鳴って息ができなるなるのを感じた。
蛇に睨まれた蛙とはこの事なのだろう。
恐怖が腹の底から湧き上がり上手く言葉を紡げない。
『オレ....は....オ、レは....(早く何か言わないと!怪しまれるっ。で、でもなんて言えば?"未来から来ました"なんて言えないし...どうしたらいいの!?)』
「リア、もう一度聞くオマエは誰だ。」
『っ.....オレはオレだよ。他の誰でもない....オレは東京卍會 特攻隊長でマイキーの幼なじみの蒼葉六花だよ。それ以上でも以下でもない!』
「だよな!」
震える声で言葉をつむぎ出すと、笑顔を取り戻したマイキーを前にリツカは何も言えなくて俯く。
「ごめん!怖がらせた?」
『ち、違う.....大丈夫。ちょっと、びっくりしただけだから。』
「その割には声震えてるけど?」
『....少し、怖かった』
「ごめんな。」
マイキーはそういうとリツカを閉じ込めるように抱きしめた。
「なあ、もう1つ聞いていいか?」
マイキーが抱きしめたままリツカに問いかける。
『?』
「オマエ、半間とどういう関係?」
『っ.....それは......』