第9章 8・3抗争
『ドラケン。お見舞いに来たよ〜』
「おーリッカ」
『ってあれ?タケミチは?』
「マイキーに会いに行った。」
『そうなんだ。調子はどう?』
「見ての通りだ!ピンピンしてる。もう大丈夫だ。」
数日前に殺されかけ、心肺停止の危篤状態までいった人物とは思えないほど回復していた。
自己回復能力どうなってんの?化け物か何かなのかな?
我が友人ながら恐ろしいわ....
『なら、良かった。あ、コレ追加の着替え。』
「わざわざ悪ぃな。重かったろ?」
ドラケンは差し出された紙袋を受け取る。
『そこまで重くなかったよ。でも....』
「?」
『レミさんたちに散々遊ばれた....』
「ったくアイツら....退院したら言っとくわ」
『頼んだ』
「にしてもアイツらお前で遊ぶの好きな。」
『全くだよ。....はい。暇だろうって思って新刊のバイク雑誌買ってきた。いつも何読んでるか知らないけど。』
「わざわざ悪ぃな。」
眩しいほどの笑顔を浮かべるドラケンを前にリツカは心の底から彼が生きていることを喜び、微笑む。
「ありがとな。リッカ。オマエにもタケミっちにも感謝してもしきれねぇ。オマエらは俺の恩人だ。」
『恩人だなんて大袈裟だよ。オレはただダチを....ドラケンを助けたかっただけ。感謝されることなんて何1つしてない。』
「いや、オマエらが居なきゃ今頃俺は死んでた。オマエらがいてくれたから俺は生きてるんだ。本当に感謝してる。ありがとう。」
『....オレはドラケンが生きてくれてるだけで嬉しい。だから、オレの方こそ生きててくれありがとう。ドラケン!』
「リッカ.....」
『ドラケンにはこれからもマイキーを支えてあげてほしい。(12年後側に居られないオレの代わりに.....)』
「オマエも一緒に支えんだよ。リッカ」
儚く笑ったリツカに何かを察したドラケンがニヤッと笑みを向ける。