第9章 8・3抗争
『ここなら大丈夫かな。で、どうした?』
病院の廊下をぬけ少し人気のない中庭へと移動すると後ろから気まずそうに着いてきていたぺーやんに問いかける。
「.....腕、もう平気なのかよ」
『え?ああ。うん。まだ痛むけど.....』
「......」
────バッ!!
『!?』
暫しの沈黙が慣れた後、ぺーやんはまるで覚悟を決めたような顔をして深々とリツカに頭を下げる。
『え、ちょっ!ペー、どうした!?』
「リッカ.....ドラケンの事本当にごめん。俺謝っても許されないようなことをしたっ!ムーチョから聞いたんだ。オレの立場が悪くならないように内輪モメを止めようとしてくれてたって。」
『あー....ムーチョ言っちゃったんだ。言わないでって言ったのに.....』
「なのに俺っ......それにキヨマサのことも────」
『ペーやん。頭上げろ。』
「っ....」
『歯ァ食いしばれ』
チョイチョイと手招きしながら、ペーやんに頭をあげるように促すと、リツカは思いっきり拳を振り上げた。
殴られるっ!ペーやんは目をキツく目を瞑って覚悟を決めた瞬間
────ペチン....
「え?」
ペーやんのおでこに軽い衝撃が走る。
てっきり思いっきり殴られるそう思っていたペーやんはデコピンされたとすぐ理解出来なかった。
『は〜い!これでおあいこ!』
リツカそう言うと指を引っ込めて、眩しい笑顔を向ける。
『ペーやん。オマエがやった事はパーの覚悟を踏みにじる行為だ。ドラケンの事も謝って許されることじゃない。下手したら除名もあるかもしれない。』
「っ.....ああ、わかってる。覚悟の上だ。」
『でも、キヨマサの事はペーのせいじゃないでしょ?
ドラケンを殺そうとしたアイツが悪い。ペーが責任感じることはないよ。だからキヨマサに関してはオレから何も言うことはないし、不問にしていいと思ってる。キヨマサの件はオマエからは罪は問わないよ。』
「でも!それじゃ....他のやつらに示しが....」
『いいじゃん。そんな事なんてさどうだっていい。オレもドラケンも生きてるんだし。それに人は間違いを犯して、反省して失敗を重ねるからこそ成長していく。オレはそう思うよ。だから────』