第9章 8・3抗争
「わぁー雨上がってる!」
「あ!もうこんな時間!0時過ぎてる!」
「もう8月4日じゃん!」
『え.....』
エマがそう呟いた瞬間
リツカは大きく目を開くと、タケミチに視線を向ける。
するとタケミチが笑顔でこちらに視線を向け頷いていた。
【8月3日 龍宮寺堅を救う!
それが今回のミッションです!!】
『8月3日が終わった.....?』
「リッカ君....ミッション成功だ!」
『はぁ.....』
【うおおおおぉぉぉ!!】
「ドラケンがくたばるわけねぇよな!!」
「よっしゃあぁぁ!!」
タイミングよく歓喜のあまり叫び出す隊員を前に力が抜けてその場に座り込んだリツカにタケミチが駆け寄る。
「リッカ君!」
『.....った.....』
「え?」
『良かったあああぁぁぁ!!』
「あ、リッカが泣き出したぞ」
「今回は我慢した方だろ」
「全くいつまでたっても泣き虫だよな。コイツ」
「場地〜どうにかしろ〜」
泣き出したリツカに気づいた、場地、三ツ谷、ムーチョ達が2人の元に歩み寄る。
「おら、リアァ、こっち来い。あーもう!泣くなって!目ェ腫れんぞ」
『け〜すけぇ〜!!』
「うわ、涙でぐっちゃぐちゃじゃねーか。」
「(リッちゃんもあんな風に泣くんだ.....)」
子供のように泣くリツカを前にタケミチはどこか嬉しそうに心の中で呟く。
タケミチの知るリツカは強がりで、自分の弱さを見せようとしなかった。
いつも誰かと一線を置き、笑っていた。
でも今目の前で場地に慰められているリツカはまるで今まで我慢していた痛みを解き放ったように子供のように泣いていた。