第2章 目を覚ましたら過去だった....
『ごめんごめん。すっかり忘れてたわ。』
「もうしっかりしてよ!」
『悪い悪い。ナオト、妹の面倒見てくれてありがとうな。』
「え!あ、いえ。彼氏として当然のことです。それに今日はキョウちゃんの誕生日でしたから...」
遠目からリツカ達を見守っていたナオトにぺこりと頭を下げる。
するとナオトは照れくさそうに視線を逸らした。
『何照れくさそうにしてんだよ!』
にししっ!とリツカは笑うと自分とあまり身長の変わらないナオトの頭を乱雑に撫でた。
『もう遅いし、帰るか。ナオト近場まで送ってやるよ。』
「え、でも。リツカさん忙しんじゃ...」
『いいから。いいから。な?』
3人は公園から出て歩き出そうとした時だった。
「あれれ?お兄ちゃんたち〜ここで何してんだよ!」
背後から3人組の男たちが現れたはリツカたちを囲む。
「俺たちさぁ。今金欠なんだよねぇ。金貸してくんね?」
「ちょっとでいいんだよねぇ〜」
「持ってねぇとかウソ言わねぇよなぁ!?」
『ナオト、キョウ、少し下がってろ。』
以下にもイキがってますっていう3人組をリツカは睨みつける。
するとそれが気に食わなかったのかさらに3人は声を荒らげる。
「ほら!ジャンプしてみろよ!!」
『(うるさい...)』
「お兄ちゃん...」
不安なのかキョウカがリツカの服の裾を引く。
リツカはそれを見てにっこりと微笑むと、グッと拳に力を入れ、真ん中の男を殴ろうとした時だった。
「うっせぇんだよ!ボケエェェェッ!!」
ゴッ!!
鈍い音と共に殴ろうと思っていた真ん中男が吹っ飛んでいく。
突然のことに唖然としていると、目の前に見覚えのある金髪が写った。
「オレは今サイキョーにイラついてんだよ。消えろ。殺すぞ!」
割れた酒瓶を片手に殺気を飛ばす金髪の少年。
ビリッ!と空気が震え、恐れおののいた3人組は逃げ出そうとする。
「ヒイィィィ〜〜!!す、すすすすみませんでしたぁぁ〜〜」
『おーい。お仲間ちゃんと連れてけ〜』
「ヒィ!ゴ、ゴ、ゴ、ゴメンナサ〜イ」
逃げていく3人を見送り、ポイ。と酒瓶を投げ出すとどこかに去っていこうとする彼にリツカは咄嗟に声をかけた。
『待ってよ!』