第9章 8・3抗争
卍 卍 卍
丁度その頃、抗争の場と化した駐車場は終焉を迎え始めており、阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。
「あ────しんどっ」
疲れた様子の三ツ谷は溜息を吐きながら服濡れるのも構わずその場に座り込む。
「おーい!こっちは片付いたぞ!」
「コイツ。足やっちゃったみてぇ。手当してぇんだけどリッカ知らねぇ?」
「今はドラケンと一緒だ。それよりマイキーは?」
「あっち。」
救護班の役割もしているリツカを探しているスマイリーとムーチョに問いかけると、隣にいた場地が指を指した。
その方の方向を見ると睨み合っている半間とマイキーの姿があった。
「やっぱダリィ。マイキー。息も上がってねぇのかバケモンかよ。」
「うっせぇ早く死ね。」
ニヤニヤと笑う半間に対してマイキーは殺気の孕んだ瞳で睨みつける。
殺伐とした空気が辺りを支配していると
──────ブォン!!
それを割るようにバイクのマフラー音が響き、1人の男が現れた。
「半間さん。そろそろ....」
「おう。」
「待て!」
「なんだ?マイキー」
「なんでリアを狙う。」
「ばは!ダリィ。やっぱ勘いいな。」
「ンな事どーでもいいんだよ。答えろ。」
「東卍(オマエら)の天使サマはいずれオレたちのモノになる。アイツは自分からオレらの物になるんだ!」
その言葉を聞いたマイキーの顔がさらに険しくなる。
「そんな事させねぇよ。アイツは俺のモンだ。手を出せば殺す。」
「なら奪ってやんよ。マイキー」
「半間.....テメェ一体何モンだ?」
そう問い掛けられた半間はニヤリと笑うと手を大きく広げた。
「マイキー!!!もうすぐ関東最強の暴走族連合が誕生する。"芭流覇羅"だ!!
オレは芭流覇羅 初代副総長 半間修二
覚えておけマイキー。この先東卍に平和はねぇぞ。」
「......」
「蒼葉六花はいずれ芭流覇羅を母体とした全ての暴走族を纏める要となり得る存在だ!奪わせてもらうぜ?マイキー」
半間はそう宣言した後
迎えに来た男の後ろに乗って去って行く。
マイキーはそれを冷たい目で見つめるとギリィと拳を握りしめるのだった。